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二重生活
第6章 義務と演技
休憩中に、雄一に連絡を入れた。

「バイトの仲間を家に呼んでもいい?男の子二人と、女の子一人なんだけど」
そう言うと、
「もちろんいいよ、美味しいものでもつくってあげたら」と言ってくれた。

鞠香は、予想通りの答えに安堵していた。

雄一は、今朝抱いた妻に、寛容だった。
そして、自分より15個以上年下の、男の子にも。


頂き物が溜まってしまったドンペリも、開けてしまっていいと言われた。
雄一は、お酒はビールしか飲まない。ルーフバルコニーに、ビール専用の冷蔵庫を置くくらい。
どんなに高級なワインにも、希少な日本酒にもまるで興味はない。


夕方、一足先にバイトをあがり、紀伊国屋で買い物をした。
シャンパンのほかには、ワインも用意しよう。カクテルもあったほうがいいかしら。
常備してある自家製のピクルス、豚のパテや鶏レバーのムースをカナッペにして……。
何を作ろう。何を食べさせてあげよう。考えながら買い物をするのは楽しかった。
夜が、待ち遠しくて仕方なかった。
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