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二重生活
第1章 鞠香
雄一は、ベッドの上でも優しくて、少し不器用だった。

鞠香が恥ずかしがると、電気を消してくれて、服も全部は脱がそうとしなかった。

唇を味わわれ、舌先は次第に首筋から胸へ、そしてその頂点へ優しく這っていく。
丁寧に漆を塗られる器になったような気持ち。
くすぐったくて、ふわふわして、腰が浮いてしまう。

「気持ちいい?」

雄一は、鞠香を貫きながら必ずそう聞いた。

「うん……。ンッ……ハァッ……」

鞠香の鳴く声に満足げな顔をする雄一に、愛されている実感がわく。
挿れられながらも愛撫は続いた。
髪を撫でる指、耳たぶを噛む唇、両方の乳首は優しく撫でられて、そのたびプルプルと乳房が揺れた。
指の動きに合わせて、乳首から甘美な快感が伝わってくる。 
鞠香の華奢な肩から伸びるほっそりした腕を、雄一は自分の首にまわさせた。
ぴったりと密着しながら、何度も突き上げられる。

だけどそれはどこかいつも優しくて、泣き出したいようなもどかしさとともに鞠香は果てた。
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