この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
二重生活
第9章 fall in love
「…………!」
そこに現れたのは、二人の男女だった。
「うわー先客いるよー」
「だからぁ~ホテル行こうよぉ」
「もー。しゃーねーなー。あ、お邪魔しましたー」
あっけらかんと言って、イチャイチャしながら去っていく。
「……待って!」
鞠香は掠れた声をあげた。
驚いて振り向いた二人。
鞠香の泣き顔を見て、女の子が「やだぁーレイプ?」と言い、リョウ君の顔を見て、「痴話喧嘩ぁ?」と混乱したように言いなおした。
リョウ君が、縛っていたリボンを外しながら、
「そうなんです。彼女焼きもち焼きで、他の女と絡んでたら怒っちゃって。愛してるってわからせたくて、ここで抱こうとしてたとこで」
にっこり笑うと、女の子はパッと乙女の顔になり、納得したような羨ましそうな、非難の視線を鞠香に向けた。
「わ、私、先に戻るね! ごめんなさい」
鞠香は、はだけた胸元を押さえてその場から走り去った。
(どうしたらいいの……苦しいよ……)
みんなのところには、戻りたくなかった。
だけど、一人でいたらリョウ君に捕まってしまうだろう。
(怖いよ……)
とにかくリョウ君からは遠ざからなきゃ、そう思い、人混みに紛れるように歩き始めた。
その時……
「鞠香さん!」
そこに現れたのは、二人の男女だった。
「うわー先客いるよー」
「だからぁ~ホテル行こうよぉ」
「もー。しゃーねーなー。あ、お邪魔しましたー」
あっけらかんと言って、イチャイチャしながら去っていく。
「……待って!」
鞠香は掠れた声をあげた。
驚いて振り向いた二人。
鞠香の泣き顔を見て、女の子が「やだぁーレイプ?」と言い、リョウ君の顔を見て、「痴話喧嘩ぁ?」と混乱したように言いなおした。
リョウ君が、縛っていたリボンを外しながら、
「そうなんです。彼女焼きもち焼きで、他の女と絡んでたら怒っちゃって。愛してるってわからせたくて、ここで抱こうとしてたとこで」
にっこり笑うと、女の子はパッと乙女の顔になり、納得したような羨ましそうな、非難の視線を鞠香に向けた。
「わ、私、先に戻るね! ごめんなさい」
鞠香は、はだけた胸元を押さえてその場から走り去った。
(どうしたらいいの……苦しいよ……)
みんなのところには、戻りたくなかった。
だけど、一人でいたらリョウ君に捕まってしまうだろう。
(怖いよ……)
とにかくリョウ君からは遠ざからなきゃ、そう思い、人混みに紛れるように歩き始めた。
その時……
「鞠香さん!」