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二重生活
第10章 キスの痕
「すごい濡れてる……鞠香さん。……可愛すぎてヤバいよ……」

左手で強く抱き締めながら、右手が蜜壺をえぐっていく。
熱い指に掻き回されて、恥ずかしいほど大きな水音が部屋に響いていた。
いつも上品な鞠香からは想像もつかない、匂い立つような淫らさが、不思議と白い肌をより美しく際立たせる。

「ンンっ……アッ……ンッ…………アッ……はぁ……ンンッ……」

抑えようとしても出てしまう声。
手のひらで口を塞いでも、高く漏れる声はどうしようもなく響いて……。

「声……出ちゃう。ごめんなさい……」

「いいよ、隣に聞こえても、外に聞こえてもいい。もっと声聞かせて……」

指の動きが激しくなり、あまりの快感に鞠香は弓なりに体を反らした。

「彗君……。すごい……気持ち……い……。
ンッ……気持……ち……よす……ぎ……ちゃ……う……」 

「いいよ……気持ちよくなって。イっていいよ……」

眉根を寄せ、苦しげに悶える鞠香を、責め続ける指。

「……ダメ……これ以上されたら私……」

「どうしたの?」

「イヤ……! ハァ……ンっ……も……や……めて……!」

切羽つまったように喘ぐ声が、絶頂が近いことを伝えていた。

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