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二重生活
第10章 キスの痕
「ここもリョウに触られた?」

「ううん……大丈夫……」

「……そか……、よかった……」

後ろから、体に絡む腕と脚。
唇も首筋に押し付けられ、二人はぴったりと隙間なく密着していた。
鞠香は、甘えるように体重をあずける。

乳首を弄っていた指が下へおりてきて、鞠香は一瞬、緊張で体を硬くした。

「鞠香さん、力抜いて」

「……うん」

言われたとおりにすると、彗君はふっと笑って、髪にキスをしてくれた。

「なんか、ここからの眺め、かなり悩殺……」

鞠香の華奢な肩越しに息づく、豊かな胸の谷間。
それは、瑞々しく美味しそうな、魅惑の果実だった。
たまらないと言ったように、突然長い指が蜜壺へ伸びた。

下着の際を指がなぞるたび、小刻みに震える体……。

「……ンッ……は……ぁん……」

押し殺した声が、溢れては夜の闇に溶けていく。

ずらされた薄い布。

……くちゅ……。

(ダメ……恥ずかしい……)

一度指を挿れられただけで、とめどなく水が掻き出され、太ももを濡らしていく。

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