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二重生活
第10章 キスの痕
ぐったりと気だるい体を横たえ、焦点の定まらない目で荒い呼吸をする鞠香。
蕩けきった体の芯はマグマのように熱く、乳首と同じ綺麗なピンク色の花弁は、開いてヒクヒクと震えていた。
甘い誘惑の蜜が滴り落ちる。

開かれた膝の中心に、舌が押し当てられた。

「……ひゃ……ンッ……いゃ……ぁ…………」

腰が浮いて、左右にくねってしまった。
さっき、これ以上ないほどの絶頂がきたばかりなのに、それよりも強い快感が全身を突き抜ける。
果てなんてなかった。

唇に覆われじゅるじゅると吸われたり、柔らかな舌で花弁の筋を舐めあげられたり、硬い舌で膣壁を擦られたり……。

そのたび、鞠香はあられもない声が鼓膜を震わすのを自覚した。

「……彗……君。そん……な……ふう……に……舐め……ちゃ……ダメ……」

彗君の綺麗な顔が、秘部に近づけられていると思うと、羞恥に耐えられそうもなかった。

腕を伸ばして、頭を押し退けようとしても、

「鞠香さん……甘くて美味しい……」

そんな囁きが蕾に吹きかけられて、抵抗する力を簡単に奪っていく。

彗君は、さらに激しく舌で奥をえぐってくる。
太ももから爪先へざわめく肌が、くすぐったいのか気持ちがいいのか、もう訳がわからなかった。

わかるのは、とにかく彗君が愛しくて愛しくて、たまらないということだけ……。
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