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二重生活
第10章 キスの痕
「鞠香さん、気持ちよさそう。でも、まだ足りないよね? 」

「……ンッ……そん……な……こと……ない」

「やめていいの?」

笑みを含んだ声で言いながら、触れるか触れないかのタッチで蕾をつつく指。
すぐに溜まってしまう淫靡な疼きが、もどかしくてたまらない……。



鞠香は両手で顔を隠すと、

「……もっと……。もっと舌……を……奥に……挿れ……て」

恥ずかしさと官能で震える声でおねだりをした。
大きな瞳を縁取る睫毛が、美しく瞬く。

「いいよ。じゃあ、舐めあいっこしよ……」

色っぽい表情と声に魅了され、手を伸ばして彗君のものに触れた。
反り返るほど硬く張りつめたそれは、触れるとピクピクと動く。

これが彗君の……。

形をなぞるように指先をすべらせる動きに、さらに大きさを増していく。

(……すごい……こんなの入るかな……)

心配になるほどに、大きくて長くて、猛々しい陰茎だった。
普段のクールで爽やかな彗君からは想像できないような……。

ふいに男らしさを突きつけられ、鞠香の中に征服されたいという被虐的な欲望が沸き上がる。
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