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二重生活
第10章 キスの痕
もしも立派な陰茎を、涙が出るほど深く、喉の奥まで突き立てられたら……。
身動きできないように腰を押さえつけられ、激しく蜜壺を吸われたら……。

きっと、強烈な刺激が脳髄までを蕩けさすだろう……。

お店で、公園で……見ず知らずの男の子や、リョウ君に襲われかけたとき、鞠香はたしかに嫌悪感と恐怖を覚え、本気で抵抗した。
だけど、僅かに感じてしまった被虐の快感が、無意識の下、首をもたげ始めていた。

苛められたい、力強く組伏せられたい……
好きな人からされるそれは、女にとって、快楽を加速度的に増す媚薬のようなものかもしれなかった。

彗君に抱かれていながら、ねっとりと蹂躙されてざわつく肌の感覚が思い起こされてしまう。
それは、熱く、黒く、体を焼き尽くしそうで……。

「彗……君……。他の人に……触られたところ……思い出しちゃうよ……。こわ……い……嫌……」

「彗君が……触って……。もっと……いっぱ……い」

「嫌……彗君……しか嫌なの……」

うわごとのように、力なく言葉が漏れていた……。

「大丈夫。俺だよ……優しくするから……」

柔らかな声で言って、太ももの付け根にキスをする彗君。
恥丘に沿って三角に整えられた茂みをはみ、敏感な先端に舌を絡ませる。
舌先がつるんとした蜜壺の入り口を小刻みに舐めあげる。
ちゅ……るん……弾ける秘肉……。

「……いゃ……ぁん……すご……い……」

鞠香は夢中で、目の前に突きだされた陰茎に唇を寄せた。
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