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二重生活
第2章 miniature garden
(大人になったら、結婚して、子供のために生きる。
だから、今はいっぱい遊んで、いっぱい恋して、いっぱいオシャレしよう)
高校生の時も、大学生の時も、そう思っていた。
30歳は未知の域で、遠い未来のことだと思っていたあの頃。
何の予想もできないけど、きっと結婚したら、自然と欲がなくなるものだと思っていた。
当時、18歳だった友達の彼が、28歳の女の人と浮気したと聞いたときは、そんなおばさんと?と、信じられない思いだったし、
20歳のときにデキ婚をした友達が、子供を親に預けて夜遊びし、色恋沙汰で離婚したのを見て、みんなで眉をひそめていたこともあった。
恋をする権利ともいうべきたくさんのボーダーが、暗黙の上に存在していると思っていた。
だけど今は違う……。
1つ年下の子を見て、なんて若くて輝いているのだろうと心から思う。
鞠香のことを見て、母は「若い人は」と言う。
そして、母もまた、化粧のノリがいいと機嫌がいい。
欲望は、決してなくならない。
女はいつまで経っても女なのだ。
妻になっても、母になっても。
いくつになっても。
私だって、信じていた。
手を繋いで散歩に行く老夫婦が理想で、「自分だけは」必ずそうなれると。
結婚したいくらい大好きだった元カレが、何人いたとしても、最後はこの人だと思うからみんな結婚するのだと思う。
だから、今はいっぱい遊んで、いっぱい恋して、いっぱいオシャレしよう)
高校生の時も、大学生の時も、そう思っていた。
30歳は未知の域で、遠い未来のことだと思っていたあの頃。
何の予想もできないけど、きっと結婚したら、自然と欲がなくなるものだと思っていた。
当時、18歳だった友達の彼が、28歳の女の人と浮気したと聞いたときは、そんなおばさんと?と、信じられない思いだったし、
20歳のときにデキ婚をした友達が、子供を親に預けて夜遊びし、色恋沙汰で離婚したのを見て、みんなで眉をひそめていたこともあった。
恋をする権利ともいうべきたくさんのボーダーが、暗黙の上に存在していると思っていた。
だけど今は違う……。
1つ年下の子を見て、なんて若くて輝いているのだろうと心から思う。
鞠香のことを見て、母は「若い人は」と言う。
そして、母もまた、化粧のノリがいいと機嫌がいい。
欲望は、決してなくならない。
女はいつまで経っても女なのだ。
妻になっても、母になっても。
いくつになっても。
私だって、信じていた。
手を繋いで散歩に行く老夫婦が理想で、「自分だけは」必ずそうなれると。
結婚したいくらい大好きだった元カレが、何人いたとしても、最後はこの人だと思うからみんな結婚するのだと思う。