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二重生活
第2章 miniature garden
だけど、最近、鞠香は考えてしまう。
私はこのまま、歳を重ねていくの?
どんなにオシャレをして、おいしいものを食べて、素敵なものに囲まれても、誰にも抱かれず、愛されず、一生を終えるの?
以前雄一とフィレンツェを訪れ、ピサの斜塔に登ったとき、そのなかが空洞なことに驚いた。
丁寧な装飾や彫刻がしてある他の建造物と違い、本当にがらんどうで、無機質で。
今の私は、そのとき感じたように戸惑ってしまうことがある……。
ふと、窓から外を見遣ると、みぞれが降っていた。
床暖房の効いた広いリビングは春夏秋冬快適で、居心地がいい。
壺のようなフォルムの加湿器は、花に水をあげるように上部から直接給水するだけで、快適な湿度を保ってくれる。
テーブルに飾られたフラワーアレンジメントの器には、綺麗な薔薇がふんだんに使われ、芳しい香りを届けてくれる。
大丈夫……。
やっぱり私は、幸せだ。
時おり感じる、外との断絶と一抹の焦りは、無い物ねだりの感傷にすぎない。
私はこのまま、歳を重ねていくの?
どんなにオシャレをして、おいしいものを食べて、素敵なものに囲まれても、誰にも抱かれず、愛されず、一生を終えるの?
以前雄一とフィレンツェを訪れ、ピサの斜塔に登ったとき、そのなかが空洞なことに驚いた。
丁寧な装飾や彫刻がしてある他の建造物と違い、本当にがらんどうで、無機質で。
今の私は、そのとき感じたように戸惑ってしまうことがある……。
ふと、窓から外を見遣ると、みぞれが降っていた。
床暖房の効いた広いリビングは春夏秋冬快適で、居心地がいい。
壺のようなフォルムの加湿器は、花に水をあげるように上部から直接給水するだけで、快適な湿度を保ってくれる。
テーブルに飾られたフラワーアレンジメントの器には、綺麗な薔薇がふんだんに使われ、芳しい香りを届けてくれる。
大丈夫……。
やっぱり私は、幸せだ。
時おり感じる、外との断絶と一抹の焦りは、無い物ねだりの感傷にすぎない。