この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
二重生活
第2章 miniature garden
だけど、最近、鞠香は考えてしまう。

私はこのまま、歳を重ねていくの?
どんなにオシャレをして、おいしいものを食べて、素敵なものに囲まれても、誰にも抱かれず、愛されず、一生を終えるの?



以前雄一とフィレンツェを訪れ、ピサの斜塔に登ったとき、そのなかが空洞なことに驚いた。
丁寧な装飾や彫刻がしてある他の建造物と違い、本当にがらんどうで、無機質で。
今の私は、そのとき感じたように戸惑ってしまうことがある……。





ふと、窓から外を見遣ると、みぞれが降っていた。


床暖房の効いた広いリビングは春夏秋冬快適で、居心地がいい。
壺のようなフォルムの加湿器は、花に水をあげるように上部から直接給水するだけで、快適な湿度を保ってくれる。
テーブルに飾られたフラワーアレンジメントの器には、綺麗な薔薇がふんだんに使われ、芳しい香りを届けてくれる。



大丈夫……。
やっぱり私は、幸せだ。

時おり感じる、外との断絶と一抹の焦りは、無い物ねだりの感傷にすぎない。
/206ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ