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華のしずく~あなた色に染められて~
第27章 【月華~月姫-TSUKIHI-~華のしずく~】 幻の蝶
 その夜。
 月姫の許を訪れた秀信が言った。
「定子に逢うたそうだな」
 ひとしきりの嵐の後、秀信は夜具の上に腹這いになっている。その傍らに月姫は嵐の後の余韻を残し、寄り添っていた。
 静かな夜であった。
「ご立派なお雛様を拝見致しました」
 定子に浴びせられた言葉の数々のことを口にせず、月姫は全く別のことを話題にした。
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