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華のしずく~あなた色に染められて~
第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~
 秀吉がそんな珠々を見て言った。
「昔の品ではあるが、父が当時の一流の細工師に作らせたものだ」
「そんなお大切な品を―良いのでごさいますか?」
 珠々が小首を傾げると、秀吉が笑った。
「俺は母の顔を知らぬ。物心ついた時、既に母はこの世の人ではなかった。されば、この品が母を偲ぶ唯一のよすがだったが、いつか真に惚れた女が現れたときには、これをその女に与えようと思っていたのだ」
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