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第7章 【雪の華～華のしずく～】二

　本音を言えば、今すぐにでも徳姫を青龍の国に連れ帰り、こんな冷淡な男のことなぞきれいさっぱりと忘れさせ、心憩わせてやりたいとは思ったが、当の徳姫自身はけして、それを望んではいない。
　むしろ、いくら辛くとも、信晴の傍で生き抜こうとすらしている。それならば、その健気な心根をいじらしく思い、陰ながら見守り応援してゆくのが乳母のつとめだと柏木もまた、考えていた。