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華のしずく~あなた色に染められて~
第20章 【朱夏~華のしずく~】
 物凄い見幕で怒鳴りつけられて、男はそれだけで怖じ気づいたのか、みっともなくも蒼白になって震えている。
「今度むやみに女に手を出そうとしたら、ただでは済まぬぞ」
 その一言に、男は飛び上がり、這々の体で逃げていった。
「大丈夫か」
 若い男は、震えている藍丸に笑いかけた。まだ成長前の藍丸からは見上げるほどの長身で、珍しい茶色の髪と眼をしていた。左には眼帯をかけている。
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