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あなたに抱かれたい
第12章 年末年始

年末を迎え、久美子は腕まくりをして気合いを入れた。
築年数はそんなに経っていないものの、やはり部屋の隅々は汚れてきている。
おそらく夫の拓哉もお正月には日本に帰国してくれて新婚のお正月をゆっくりと我が家で迎えるに違いない。
ならば、少しでも綺麗にして快適に過ごしてもらいたいと、久美子は大掃除を断行することにした。

「ねえ、明日から学校は冬休みなんでしょ?
大掃除をしたいの。手伝ってもらえるわよね?」

朝食を食べながら、久美子は茉優と正弥の姉弟に声をかけてみた。

「俺、パス!
だって受験生だぜ?明日は朝から図書館へ行って自習するつもりだよ」

「私だって無理よ」

「あら?茉優ちゃんは推薦入学で受験は免除じゃなかった?」

「まあそうなんだけど、姉として弟の面倒を見なきゃ…
この子、ほっておくと自習なんてしないんだから」

「そんなことないよ!俺だって切羽詰まってるんだからラストスパートをかけるさ」

姉の茉優の手助けなんて必要ないと突っぱねようとしたが、
茉優が正弥に目配せをしてきて一緒に図書館に連れ出せと催促してきた。

「でも…折角だし、姉ちゃんに勉強を教えてもらおうかな?
その方が効率が良さそうだし」

なんだかんだ理由をつけて子どもたちは大掃除を手伝うなんて気持ちはこれっぽっちもなさそうだった。

『ムリないか…私だって高校生の頃は手伝いもせずに遊び回っていたし…』

姉弟とは歳も近いことから久美子には子どもたちの気持ちが充分に理解できた。

「仕方ない!一人で頑張るしかないわね!」

朝食を終えて我先にと子どもたちは家を飛び出して、一人残された久美子は気合いを入れるために大きな声で独り言を言った。

拭き掃除ぐらいでいいかしらと思っていたのに、
手をつけ始めるとあそこが気になる、ここが気になるといった具合でどんどん掃除の範囲が広がってゆく。

『もしかしたら一日じゃ終わらないかも…』

とりあえずは目につくところから片付けようと、久美子は脚立を持ち出してシーリングライトのカバーを拭き掃除することにした。

あら、以外と汚れているものね

キッチンのシーリングライトの汚れが著しい。

多分、揚げ物をして油の煙が付着しているのねと
少し強めに擦った。
その途端、カパッと音がしてカバーが外れてしまった。

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