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あなたに抱かれたい
第12章 年末年始
受験勉強をすると行って大掃除を抜け出した茉優と正弥の姉弟は、図書館の自習スペースに座り込んで参考書を開いてはみるものの、一向にペンが進まない。
「ほら、真面目に勉強しなさいよ」
すでに女子大学への推薦入学を勝ち取って、受験は面接のみとなった茉優は弟の正弥を少しでもいい高校に行かせてやろうと受験勉強に付き合っていた。
「俺さあ…勉強することに向いていないみたい」
シャープペンシルを指でペン回ししながら正弥は向かいに座る姉の茉優の胸元ばかり見つめていた。
「あのねえ、あんたもそのうち彼女が出来て、将来的に結婚となったら家族を養っていかなきゃなんないのよ?
少しでも大きな会社に入って高いお給料を稼がなきゃ家族が不憫だわ」
「えっ?結婚?
結婚なんてしないよ。俺には姉ちゃんがいるじゃん
姉ちゃんさえいれば彼女なんていらねえし
仮に結婚しなきゃいけないとしたら、姉ちゃんと結婚するから」
「あんた、それマジで言ってんの?
私たち姉弟なのよ?結婚なんて出来るはずないじゃん」
冗談のつもりで言ったにせよ、正弥が自分を生涯のパートナーとして見てくれていることに茉優は嬉しかった。
「もう勉強なんて飽きたよ
それよかさ、ラブホテルに行こうよ
また姉ちゃんをアンアン言わせてやるからさ」
シンと静まり返った図書館の自習室だから普通の声量で話す正弥の声が周りに聞こえたのか、利用者はギョッとした顔で姉弟を見つめた。
「ばか!シーッ!声が大きいわよ!」
正弥を嗜める茉優の声もソコソコ大きかったのか、利用者はあからさまに不満顔を二人に向けた。
バツが悪くて、いつまでもそこに座っているわけにも行かず「と、とにかく場所を変えようか」とそそくさと茉優は席を立った。
「おっ!ようやく姉ちゃんもその気になってくれたかい?」
正弥は破顔で勉強道具をバッグに仕舞いこんでいそいそと茉優の後を追いかけてくる。
図書館を出たところで茉優は振り返って、急ぎ足で追いかけてきた正弥の頭をゲンコツでポカリと叩いた。

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