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あなたに抱かれたい
第14章 高校入学と姉との別れ

入試から二週間。
今日は待ちに待った合格発表の日だ。

正弥は朝からソワソワして落ち着きがなかった。

「どうしたのよ?あんた、まさか、もしかしたら落ちているかもしれないと心配してるんじゃないでしょうね?」

「人生、もしかしたらって事はどこにでも転がっているだろ?」

「あははは!大丈夫だって!
なんたって出来損ないの助け船みたいな学校なのよ
あそこに落ちるとしたらよっぽどのバカよ」

「姉ちゃん、俺が、よっぽどのバカだっての忘れちまったのかよ」

「あ…」

正弥の言葉に茉優はハッと気づいて『そうだったわ…この子、救いようのないバカだったんだわ』と、気づき、もしかしたら落ちているかもと思い始めた。

「ほらほら、二人とも、そんな悲壮感を漂わせないでよ
あれだけ頑張ったんですもの、私は絶対に合格すると信じているわ」

ね、きっと大丈夫だから

そう言って久美子に優しく背後から肩を抱かれると、とても穏やかな気分に浸れて、合格したら、高級レストランに食事に連れていって欲しいと願い出た。

「まあ!腕によりをかけて手料理を振る舞おうと思っていたのだけど…」

「そうよ、久美子さんの手料理をいただきなさいよ
久美子さんの料理はどれもこれも美味しいのよ!」

なんだか、入試のあの日以来、姉と久美子さんがやけに仲が良い。
まあ、ギスギスしているよりはよっぽどいいんだが、茉優の手のひら返しのような態度には少し背筋が寒くなる。

「茉優ちゃんも今夜は自宅で食べてくれるんでしょ?」

「食べたいのはやまやまなんだけどね、今夜は卒業した高校の仲間と最後の晩餐に出かける予定があって…」

「そうなの?それじゃあ正弥くん、お望み通りどこかのレストランでお祝いしましょうか」

「やった~!久美子さんと二人でお食事なんてデートみたいで嬉しいな」

親子で食事に行くだけなのに、それがまさしくデートのような気がして胸がドキドキしてくる。

「じゃあ…合格発表を見に行きましょうか?」

「えっ?久美子さんも付いてきてくれるの?」

「もちろんそのつもりなんだけど、いやかしら?」

「ううん!全然イヤじゃないさ!」

なんだか、美しいビーナスについてきてもらえるんだから、きっと合格間違いなしだなと正弥は自信が漲ってきた。

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