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あなたに抱かれたい
第14章 高校入学と姉との別れ
「出来心なら大目にみてもらえたんだろうけど、どうも常習者のようでね、我が校としても見逃すわけにはいかなかったんだよ」
深刻な顔をして話し込む担任と正弥が気になって「正弥くん、何かあったの?」と心配顔で久美子が二人に近づいた。
「こちらの方は?」
「僕の母です」
「えっ?」
担任は聞き間違いかと怪訝な顔をした。
どこをどうみたって、久美子は母親という年齢ではなかったからだ。
「申し遅れました、私、篠塚正弥の母で篠塚久美子と申します」
「えっ?本当に?こりゃあ、失礼しました。僕は篠塚くんの担任をさせていただく草原と申します」
そう言って担任の草原は、まるで選挙活動中の候補者のように手を差し出して久美子に握手を求めた。
久美子は、その手を無視して「うちの息子をどうぞよろしくお願いします」と丁寧に頭を下げた。
新学期早々に家庭訪問という行事が控えていて、くたびれたオバサン連中のご機嫌伺いに行かなければならないと憂鬱だった草原は、正弥の家に家庭訪問してゆっくりと話せると気持ちが華やいだ。
「さあ、正弥くん、先生も何かとお忙しいだろうから引き留めては迷惑だわ」
「いや、そんな迷惑だなんて…」
担任の草原は、執拗に久美子と話をしたそうだったが「それでは失礼いたします」と久美子は草原の気持ちを無視してそそくさと別れた。
『いやぁ~、いい女だったなあ…』
絶対に自分より年下だよなと、草原は帰ってゆく久美子の揺れるヒップを見ながらスケベそうな笑みを浮かべた。
「担任の先生と何真剣な話をしていたの?」
担任から遠ざかると、久美子はさりげなく正弥に訊ねてみた。
「うん、受験の日に仲良くなった子がいたんだけど、見渡しても居ないもんだから先生に聞いてみた」
「ふぅ~ん…もしかして例のあの子?」
「うん、早季子ちゃん…あの子、入学取り消しになったんだ…」
「まあ!そうなの?それは可哀想ね」
可哀想なのは僕だよ!と正弥は心の中で残念がった。
彼女がいれば、少しは高校生活もバラ色になると思っていただけに、もう会えないのだと思うとショックだった。

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