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あなたに抱かれたい
第15章 クラスメート
今日もまた退屈な一日が始まっていた。
担任の草原は、家庭訪問にやって来てからというもの、やたらと義母の久美子さん情報を聞きたがった。
「そんなに母さんの事を聞いてどうするの?
あっ!もしかしたら、父さんが海外赴任でいないのを良いことに、ワンチャンあれば口説こうとか思ってる?」
貴重な休み時間を担任の質問責めで潰したくはなかったので、正弥は少々イラついていた。
「ワンチャン?な、なにをバカな事を言い出すんだ!
いいか、先生はな、お前の家庭環境を知っておきたくて…」
「そう言いながら、聞くのは母さんの事ばかりだよね?
ストーカーとかするなよ。ウチの周りをうろついていたら警察を呼ぶぞ!」
「わかった、わかったよ。僕はストーカーみたいな真似はしないから!真剣にお前のところの家庭環境が心配なだけなんだよ
とにかく、何かあったら相談に乗るからって久美子さんに伝えておいてくれよ」
さりげなく人の母さんを「久美子さん」だなんて名前で呼びやがって!マジで久美子さんを口説いてきたらガツンと文句を言ってやらなきゃ!
独りでプンプンと腹を立てていると「篠塚くん…」と、か細い声に呼び止められた。
「なんだよもう!次から次へと!」
声を荒げて呼び掛けられた方を振り向くと、まるで自分が怒鳴り付けられたのかと、怯えた子猫みたいな顔をして女の子がモジモジして立ちすくんでいた。
「えっと…お前、誰だっけ?」
クラスメートなのはわかっているんだけど、いつも地味で前にでしゃばるタイプでもない女の子だったので、彼女の名前さえ正弥の頭の中にはインプットされていなかった。
「佐久間です…佐久間瑠璃…」
「そうだ、そうだ、佐久間だったな。で、俺になんか用か?」
「私…篠塚くんが好きなんです!
どうか、お付き合いしてください!!」
瑠璃がペコリとお辞儀をした拍子にロングヘアが垂れて、真っ白なうなじが正弥の目に飛び込んできた。
『見た目は地味な女なのに、妙に色っぽいじゃん』
その色気に負けたように「ああいいよ」とまったくその気もないのに快諾の返事をした。
「ホントに?本当に私を彼女にしてくれるの?」
「えっ?彼女?」
生まれて初めての女性からの告白に、どういった態度、どういった言葉を返していいものか、正弥は妙にドキドキした。

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