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防音室で先輩に襲われて…
第13章 責め立てる舌先

「まだ起きられないの?」

 そこへ、椎名が戻ってきた。

 彼はペットボトルを乃ノ花に手渡した。

「立てるかい」

 椎名がパイプ椅子を出して、そこへ彼女を座らせる。

「今日も昼の放送ができなかったね」

「……最近は先輩のせいで、ずっとできていません」

 乃ノ花は水をコクコクと喉に流し込んだ。
 
 苦味が、少しずつ薄れていく。

「いえ……というより、もうやめようと思って。お昼の放送」

「そうなの?俺は好きだったけどな」

「嘘……」

 放送を聞いてる生徒なんてほとんどいない。彼女もそれは自覚していた。

「もとから限界だったなって。勉強も頑張らないといけないのに、ぜんぶ完璧にやろうなんて思わない方がいいと思ったんです。それに秋のコンクールに向けて準備も必要なので」

「……へぇ、そう。いいと思うよ」

 椎名の声は、意外に穏やかだった。

「放送部のコンクールって何をするんだい」

「部門はいくつかあります。アナウンス部門と、朗読と、それと……」

 乃ノ花の言葉が、途切れる。

「……」

 乃ノ花は息を吸って、静かに続けた。

「……原稿ができたら、上坂先輩に聞いてもらわなきゃ」

 椎名の表情がわずかに硬くなった。

 でも、すぐにいつもの笑みを浮かべる。

「そうか」

 それだけ言って、彼は窓の外を見た。

 放送室の中には、まだ熱が残っていた。
 







 ──…






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