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防音室で先輩に襲われて…
第16章 歪んだ依存

 椎名に置き去られ──放心状態の乃ノ花。

『さっきは突然体調が悪くなって、間違えて電話してしまいました。ごめんなさい』

 上坂には、それだけメッセージをいれておいた。
 
 放送室の机に額を押し付けたまま、乃ノ花は息を整えようとした。

 身体はまだ熱く、玩具の振動の余韻が下腹部に残り、甘い痺れとして彼女を苛む。ショーツの湿り気が、冷たい現実を思い出させる──あれは、愛ではなく、支配だった。

 心臓が、痛みを伴って鳴り響く。

 椎名の冷たい笑み、怒りに満ちた視線が、脳裏に焼き付いている。

 あの目は彼女を玩具のように見下ろしていた。
 耳許で囁やかれ続けた言葉は…彼女を嘲笑していた。

 なのに、なぜか胸の奥が熱くなる。

 恐怖と得体の知れない甘さが混じり合い、息苦しい。乃ノ花は机に額を押し付けて指を強く握りしめた。爪が掌に食い込み、痛みが現実を呼び戻す。
 
 そんな彼女の内面は嵐のような葛藤で満ちていた。

 転校生として孤独だった頃──上坂先輩がくれた「居場所」の温かさ。それに比べて、椎名は彼女をいじめ弄び、支配する存在だ。



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