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防音室で先輩に襲われて…
第16章 歪んだ依存


 なのに椎名の指が触れるたび、体が熱く反応する。

 彼に「好き」と伝えた自分の言葉は…はたして本物なのか?

 それとも、逃れるための嘘?


(……わたしは、弱い。友達がいなくて、お母さんにも口ごたえできなくて。椎名先輩がいなければもっと孤独だったかも。でも、この関係は、正しくない)



 ....ポタ



 涙が、机にぽたりと落ちる。

 心の底で、彼女は知っていた──これは純粋な恋ではない。虐げられる中で生まれた、歪んだ依存。恐怖が甘い興奮に変わる瞬間が、彼女を苦しめる。


(上坂先輩の名前が出るたびに椎名先輩が怒る……きっとわたしを完全に支配したいからだ。わたしを、独占して、壊して、誰も近づかせないように)


 弱い自分が支配的な彼に依存しようとしているのだと、彼女は気付き始めている。


(怖いのに、なぜか安心する。抜け出せない自分が、嫌い……!)


 葛藤が、胸を裂くように広がる。

 身体を起こしてスマホを握りしめる。

 上坂先輩の心配そうな声が、脳裏に残る。あの声が救いのように思えるのに、椎名の影がそれを覆い隠す。
 

(この関係は、正しくない。正しくないのに……わたしは離れられないの?)




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