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防音室で先輩に襲われて…
第16章 歪んだ依存
──
それから下校のアナウンスを終えた後、彼女は下校した。
けれど昇降口で靴に履き替えたところで、上級生たちに呼び止められた。
「辻さん!」
「え…?」
三年の女子生徒たちが、数人で囲んでくる。
乃ノ花はびくっと肩を震わせた。
彼女たちは生徒会のメンバーらしく、椎名の知り合いだろう。
「彰(アキ)くんのこと聞きたいんだけど。まさかとは思うんだけどー…」
ひとりが切り出した。
乃ノ花はすぐに言わんとしていることを察して、自分から否定する。
「わたし、先輩と付き合ってないです……」
「──!そっ?そうなんだ?…あ、ははは」
やはり要件はそのことについてだったらしい。上級生たちは心底安心したらしく、パッと表情が明るくなった。
「なら前にデートしてたって話もウソなわけ?」
「それっ…たまたま会っただけなんです。それで、わたしが行きたかったコラボカフェに先輩が付き合ってくださって」
「ええ~なにそのボランティア。彰くん優しすぎん?」
「………はは」
「まぁでも彰くんって誰にでも優しいよね。いつもみんなの相談に乗ってくれるし。生徒会でも完璧で、頼りになるし。ちょっとみんなに平等すぎる気がするけど、そこがまた理想の王子っぽくて推せるわ」
「……」
彼女たちに聞かされる話は……乃ノ花の知る椎名と違う。
優しくて完璧で、みんなの憧れる王子さま。
そんな彼が乃ノ花には違う顔を見せる──。支配的で、冷たくて、男の顔をする。
(……先輩は、みんなの前で演じてるんだ)
理想の王子さまは、本当の自分を隠してる。
完璧を装う裏で、暗いものを抱えている。

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