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第1章 凌辱

しかし、深く顔を伏せている美幸の足取りは重く、まるで抜け殻のようだった。

渡辺は、そんな美幸の様子を満足げな視線で一瞥した。その顔には、欲望が満たされた後の傲慢な余裕が浮かんでいる。

「じゃあ、奥さん。また連絡しますから。来週、楽しみにしてますよ」

渡辺は、美幸の背中を見つめながらそう言い残すと、美幸の返事を待たずに、軽やかな足取りで裏通りを立ち去った。

美幸は、その場に立ち尽くしたまま、渡辺の後ろ姿を見つめることしかできなかった。美幸の全身には、夫を裏切った罪悪感と、次の約束に対する新たな絶望が重くのしかかっていた。