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MonsterRaper(仮)
第2章 魔獣ラミア
「こっちだッ!」

俺は狛犬に声を掛けた。
狛犬は獲物の追跡より人間の指示を優先するのだ。

「ガるるるルッ」

狛犬が俺の目の前までやって来た。

「これを見て」

俺は背中の傷と血を見せて狛犬に自分の状況を理解させる。

「ガルルルルルーーッ。ガウッ!」

狛犬は猟士の元へ戻って行った。
救助犬にもなるのが幸いだ。
きっと猟士に俺の負傷を伝えに行ってくれたのだろう。

警察犬になれないのは本来犬の持つ嗅覚Lvと素早さが犬の平均より劣ること。
訓練されたシェパードとかドーベルマンだったらエキドナは発見され、最悪はやられていたかも知れない。

俺はうつ伏せに倒れ込み怪我人を装った。


***

--ガウ--ガウッ---
狛犬が猟士を連れてきた。

「おいッ!大丈夫かッ!?スゲー傷だな…待ってろよ…」

別の猟士が俺の傷に救急包帯を巻き介抱してくれた。

「ぐ…病院へ…」

演技でなんとか時間を稼ぐしかなかった。

『エキドナ逃げきってくれ』

彼女もいつか捕獲されてしまうのか?
撃退ならいいが討伐、捕獲でも殺されてしまうかもしれない。


【救急包帯】
既に消毒液が浸みこんでいる包帯でギルドの支給品。
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