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MonsterRaper(仮)
第3章 怪獣ベヒモス
―加波山―

時間は少し戻る…


「うぅ…」

うす暗い岩穴の中で、女猟士はゆっくりと目を覚ました。

松居樹里菜 16歳である。
中分けの黒髪セミロングで活発なアスリート女子を思わせ健康的な肉体が魅力だ。

気がつくと、腕が伸び、足も伸び、純潔の下腹部は大胆に露出し、直でフワっと微風があたる。
上にTシャツと中にスポーツ用のハーフトップブラだけを身につけ、下半身はコンバットブーツ以外、なぜか何もない“後ろからどうぞ”な姿で、大きな岩に抱きついていた。

周りには、愛用のカーゴパンツや装具類が散乱している。
GPS端末、武器などはない。

『!!』

一瞬曖昧だった記憶もすぐに回復した。

『ベヒモスに拘束されたッ!?』

目覚めた状態が、あまりに不自然なうえ、見たことのない場所にいる状況から間違いないと確信した。

身体を動かそうとすれば、手と足がなぜか動かない‥
スライム状のジェルでべっとり岩につながれていた。

『う、動かないッ!』

彼女は女と雌には厄介な繁殖方法をするベヒモスを撃退するため加波山に出向いていたのだった。

『ハンターがモンスターに捕獲されるなんて…』

不幸中の幸いでもある。男のハンターであれば食い殺されていた。
下半身に子宮を持つ彼女だからこそ殺されずに捕獲されたのである。


しかもまた、その姿勢があまりに女子には屈辱だった。

どうぞ、立ったまま後ろからブチ込んで下さいと言わんばかりである。

ベヒモスがこの後、自分をどうするかは容易に推測できる。
交尾に必要不可欠な箇所を露出させる為、衣類を剥ぎ取ったのであろう。

希少だがベヒモスは海沿い各県の山地に生息し、種の保存は人間を含む多種族の雌と交尾する。
茨城県には山奥に多く棲息するが人間被害はほとんどない。

『怪獣の赤ちゃんなんて産みたくないよッ!』

もう一度腕を動かそうと力を込めるが、ジェルの抵抗は人間の力では引きちぎれない。

僅かに伸びるが、ある程度伸びると急に動けなくなる強靭な弾力があった。

人間が屈強な刃物や火具を使いむしり取る。それこそ怪獣クラスが引っ張りでもしなければちぎれそうにない。

恐らくは生命が宿らなかったスライムの抜け殻を利用したのだろう。

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