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The altar of a sacrifice
第2章 漆黒の夜に咲く悲鳴
公秋さんと鈴音の二人が出て行った後、俺は早速ノートパソコンを取り出した。
人気の無い森の奥。
古めかしく燦爛たる洋館。
お化け屋敷の噂。
どうにかこの素材を使って話が書けないものだろうか?
せっかく滅多にないこんな状況を得たのだ。
活かさない手はない。
窓から外を眺めてみた。
真っ黒に見えるほど密生した木々がまるで城壁の様に取り巻いている。
部屋から見えるのはせいぜい館の周りの庭くらいだ。
花も無く、飾り気は一切ないが綺麗に手入れされている。
こうして見ると本当に何もない場所だな。
買い出し一つでも大変そうだ。
何かさらなる小説の題材は無いものか…?
いくら見ていても暗く深い森がただ続くのみで何もなさそうだ。
そう思った時。
森の木々の間に何か灯りのようなものを見つけた。
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