この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
The altar of a sacrifice
第2章 漆黒の夜に咲く悲鳴
そこにいたのは公秋さんでも鈴音でも無い。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
荒い息にキラリと鋭い瞳。
今にも襲いかかりそうに狙いを定め、舌舐めずりをしては微笑む男。
どこぞの貴族のような格好をしているのは何故だろう?
「俺の牙がキミたちの身体をゆっくりと刺し貫く…、痛みと至上の快楽がその身を包むまで、そっと目を閉じていなさい…」
背中が痒くなるようなセリフ。
男は血塗れの両手を広げ、恍惚とした表情でじりじりと女の子たちに迫っていく。
「キャー、素敵!!」
悲鳴…。
というか黄色い悲鳴で色めく女の子たち。
なんだろうこれ?
いまいち状況が掴めない。
「…おい、ちょっと…」
異様な雰囲気だが、駆けつけてしまった以上一応声をかけておく。
「私を先に召し上がって下さい」
「いいえ、私よ。私を先に!!」
頬を赤らめながら女の子が我先と前に出た。
「おいで…、どちらも一緒に頂こう」
優しく2人を抱き寄せる男。
おいっ!!
俺の事は完全に無視かっ。
.