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The altar of a sacrifice
第2章  漆黒の夜に咲く悲鳴




そこにいたのは公秋さんでも鈴音でも無い。



「はぁ…はぁ…はぁ…」



荒い息にキラリと鋭い瞳。


今にも襲いかかりそうに狙いを定め、舌舐めずりをしては微笑む男。


どこぞの貴族のような格好をしているのは何故だろう?



「俺の牙がキミたちの身体をゆっくりと刺し貫く…、痛みと至上の快楽がその身を包むまで、そっと目を閉じていなさい…」



背中が痒くなるようなセリフ。


男は血塗れの両手を広げ、恍惚とした表情でじりじりと女の子たちに迫っていく。



「キャー、素敵!!」



悲鳴…。


というか黄色い悲鳴で色めく女の子たち。


なんだろうこれ?


いまいち状況が掴めない。



「…おい、ちょっと…」



異様な雰囲気だが、駆けつけてしまった以上一応声をかけておく。



「私を先に召し上がって下さい」



「いいえ、私よ。私を先に!!」



頬を赤らめながら女の子が我先と前に出た。



「おいで…、どちらも一緒に頂こう」



優しく2人を抱き寄せる男。


おいっ!!


俺の事は完全に無視かっ。




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