この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
The altar of a sacrifice
第2章 漆黒の夜に咲く悲鳴
金色の髪に紅い瞳、ゴテゴテのコスプレ貴族衣装。
そうか、アイツよく見れば、ヴァンパイアってやつだ。
唇の間から覗く鋭い2本の牙。
おかしな服装もそれならば納得がいく。
コスプレ?
つまりこれは…。
「ヴァンパイアごっこかよ!!」
渾身のひとりつっこみ。
「うるっせーな、さっきからごちゃごちゃと」
ヴァンパイアが怒りだした。
こちらに向かって歩いてくる。
「空気読めねぇのか?どう見たって今良い所だろうが」
喋り辛くなったのか、プッと牙を吐き出してヴァンパイアはなおも続ける。
「大体お前誰?何者?もしかして客?勘弁してよ…。誰かさんみたいに俺はバイじゃねぇんだ。女しか相手にしねぇよ。だいたいこんな山ん中にてめぇ…」
「あ~ん、亮太【リョウタ】様ぁ」
焦らされた女の子たちがヴァンパイアの両腕に取りついた。
「誰ぇ?」
「新入りの子ぉ…?」
亮太と呼ばれたヴァンパイアは、俺のことを一瞥してから素っ気なく「さぁ?」と言った。
.