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The altar of a sacrifice
第1章 鬱蒼と茂る深い森
勘弁してくれよ、じぃちゃん。
生贄の館ってなんだよ。
気前よく「お前に家をくれてやる」なんて言うものだから期待してみれば、デカすぎて掃除はやる気起きねぇし、石像も装飾もあっちこちに施されて正直…気持ち悪い。
外装はゴシック様式。
内装はバロック様式と言うらしい。
じぃちゃんが誇らしげに言っていたが、そんなもの本当はどうだって良い。
出来るならば…、普通の家が良かった。
庭付き一軒家で二階建て地下付きだったら良いなだなんて、夢見ていたが、じぃちゃんの規格外はそれを遥かに上回る。
「とっておきの家だぞ」と生きいき言ったじぃちゃんのあの顔は伊達では無かった。
こんなもの孫に与えてどうしろってんだよ。
肩にかけたエナメルのスポーツバックをベッドに置いた
とりあえず荷物はこのバックひとつだ。
生活に必要なものはこっちに揃えてくれたらしい。
この中に入っているのはノートパソコンと原稿用紙、それと愛用の筆記用具だ。
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