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The altar of a sacrifice
第1章 鬱蒼と茂る深い森
俺は四方谷 綾人【アヤト】。
作家を目指している。
しかし、わかっていた事だが難しい世界だ。
ついこの間もなかなかに辛辣な批評を浴びてきたところ。
今はいわゆるニートと言うやつで、じぃちゃんに体良く家から追い出されたと言えなくもない。
それでも、俺の寝室はそれなりに広い。
へんてこな彫刻や石像が無ければもっと居心地が良いのだろうが、ここはどうも装飾が多過ぎる。
俺の部屋の中にまで何かの女神の石像が立っていた。
ここからは横顔しか見えない。
薄く微笑みを讃え、片方の腕を天に伸ばし、また片方は纏った衣服を抱える様に胸に当てている。
衣服と言っても、ただ布を体に巻きつけた様な、それだけのものだ。
こういう石像ってなんでこんな『裸体』を主張してくるんだ…。
衣服なんてあって無い様なものだ。
今はただ、この部屋にあったのがゴツくてむっさいおっさんの石像じゃなくて良かったと思う他ない。
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