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The altar of a sacrifice
第3章 深紅に濡れる祭壇
いったい何が起きている?
一切身体が動かない。
「ハッピーバースデイ……ベリアル」
公秋さんは俺の背を支えて上体を起き上がらせた。
サラリと俺の肩から髪が流れ落ちる。
灯りに照らされて輝く銀色の長い髪。
これは…。
天井だけを見上げていた両眼が身体を起こされる事によって、自分自身の身体を映し出した。
細い腕に細い足。
身に纏っているのは、真っ白なドレス…。
更に今俺が横になっていたばかりの寝心地が良いとは言い難い硬い台座の下には、倒れたままの人影が二つ。
一つは鈴音のもの。
もう一つはなんと…。
…俺だ。
そこには俺が倒れている…。
そうか、やっと状況を把握した。
俺は俺の身体を引き離されて、ベリアルになった…。
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