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O……tout……o…
第1章 おとうと
8

 あ、あぁぁ…

 そ、そんなぁ…

 わたしはこの脳裏に閃く、あの夜の、あの昔の夜のフラッシュバックのせいで、一瞬、パニックになってしまった。

「あ、あぁぁ…」
 タカシはそう喘ぎを漏らし、身悶えしながらわたしの口の中で快感の放出をし…
 それを受け止めたわたしの唇からは、タカシの情愛の精液が溢れ、唇の端からこぼれてくる。

 だが、わたしはそんな状況にもかかわらず、その脳裏いっぱいに閃き、巡っている、フラッシュバックといえる映像に激しく心を波立たせ、揺らがせ、茫然自失の状態に陥ってしまっていた。

『あーちゃん…て…』
 そうタカシは絶頂寸前に、わたしをあーちゃんと、初めてそう呼んだ。

 あーちゃん…て……

 あーちゃん…………


『あーちゃん』
 それはわたしの昔の呼称、いや、親しみを込めた愛称の呼び名であった…

 あーちゃん…

 葵、あおい…だから、あーちゃん…

 あーちゃん…

 そして…

 しんちゃん…

 真司、しんじ…だから、しんちゃん…

『あーちゃん』

『しんちゃん』

 そう、それは新しい家族…
 新しい存在の弟、義弟…
 とってもかわいいおとうと…しんちゃん。

 12歳の春に、わたしに、4つ下の8歳の弟が、とってもかわいい、まるでお人形さんみたいな義弟が出来た。

 そしてわたしと義弟しんちゃんは、すぐに仲良しになった…

 可愛くて、かわいくて、お風呂も一緒、寝る時も一緒…
 可愛くて、かわいくて、まるでペットみたく、家の中では常に一緒に過ごしていた。

 そしてその再婚によって、それまでの母子二人の狭いアパート暮らしから、小さいながらも一軒家に変わり、それぞれ姉、弟の部屋もあったのだが、いつも二人で一緒に過ごし、寝ていた…

 一緒に…
 それはわたしが中学三年生に進級するまで…
 そう…その生活は………

 お互いの思春期の成長…
 カラダの成長の変化により終わりを告げた。

 わたしは胸が膨らみ…
 10歳からサッカーを始めたしんちゃんは、12歳、小学6年生に進級した途端に、一気に成長期を迎え…
 急激に大人の階段を急に登り始めたのだ。

 


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