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何処にでもいる悪女
第8章 黒い影
「じゃあ、お疲れ様でした!」


「お疲れ様です」


軽く会釈して別れた。


エレベーター前、下へのボタンを押して待っていた。

「楽しそうだね。
鈴木と外で会う約束かな?」


「…課長…違います。外で会うなんて事しません」


「鈴木は君を好きなんだ。見れば判るだろう?
そうか、若い男がお好みなのか!
昼の事といい…君も中々やるものだ。
おやじには興味が無いと言うことか。フッ…」


「なっ……そんな…!」


「鈴木は将来有望な若手のホープだ、しかし人妻に手を出したなんて噂が広がったら……可愛そうだな」


「どういう意味ですか!?」


「君の…返事次第という事だよ。じゃ…ご苦労様」


「…――――…っ。」


肩を叩き、課長は帰って行った。


背筋が凍る思いとはこの様な時に使うのだろう…


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