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何処にでもいる悪女
第8章 黒い影
「ただいま」

家に帰ると夫は風呂に入っていた。


着替えて夕飯の準備をはじめた。
何ヵ月も美容室に行かず伸びた髪を束ねてアップした。
手早く二・三品のつまみを作る。
第3のビールを出した。


「はい、あなた」


楽なジャージ姿の夫が何時ものように晩酌を始めた。


「おい、紗英もどうだ!?」

勧められた!?珍しい…


「う、うん。貰うわ」

500ml缶をもう一本出し私も頂く。
私も飲むことは有るが2人で飲むのは暫く振りだった…何かある?


「残業も増えて、給料も上がりそうだ…
今月の振り込みも少し多いから髪でも切りに行けよ。大分伸びたな…」


「あ……ありがとう…」


何時もと違う夫に戸惑う。少しは私の事も気に掛けてくれていたのだろうか!?



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