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第10章 思惑

鈴木さんは照れて手元にあるハイボールをｸﾞﾋﾞｯと飲み干した。


「水島さんは男性の憧れですよ。優しくて仕事も出来るし…熟女の魅力！ですからね。」

嬉しそうに笑う彼とは対象的にＡ子はほっぺを膨らませて彼女も手元のハイボールを一口飲んだ。


「でも…僕、Ａ子さんの事はかなり気になってたんですけど…ハハッ
気が付きませんでしたか？」

思いがけない鈴木さんの言葉に、今度は飲んだハイボールに噎せるＡ子！


「いや…Ａ子さんは若い社員のマドンナだから…抜け駆けしようものなら僕、どうなるか…(笑)」


「鈴木さんて、そんな素振り見せなかったわ…」


「そうかなぁ…
向かいの席からやたら視線を送ってたんですけどね。」

「あ…！鈴木さん、視線を私の方へ反らしてたところばかりをＡ子さんが見てたからＡ子さんに勘違いされたのね!!

同じく課長も…

なんだ〜両思いじゃない。」


「な、何がどうなったの？」

一気に酔いが回ったのかＡ子は大きな目を更に大きくして私達を見比べた。


「可愛い。鳩みたいだねＡ子さん!!」