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第5章 背徳

外に出るとひんやりとした空気が火照った頬を冷した。

｢あぁ…気持ちがいい｣


両手を広げて深呼吸をした。

｢水島さん…｣


不意に課長が抱き寄せた。
｢好きなんだ。君が欲しい…
誰か好い人でも居ないのなら、君を抱かせてくれないか。｣


｢何を言ってるんですか？課長｣


私は抗おうとした。


｢割り切った関係で…ただとは言わない｣


抱き締めた手を緩めてはくれない。


｢お願い、止めて！人を呼びますよ｣


｢家…――大変なんだろう…――。｣