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何処にでもいる悪女
第6章 再会
「課長!待って下さい。」

エレベーターを待っている所で追いついた。


「…私…もう… 行きません。あの事は…忘れたいんです…」


「――…っ!君にそんな事が言えるのか…?
私が君を楽にしてあげると言うのに…。
大丈夫なのかな?」


余裕のある低い声に身をすくめた。


「給料を前借りはしていても私が働いた物です。
誰に知られても恥ずかしいお金ではありません。

むしろ…あの様なお金こそ…恥ずかしい――。
もう頂きません。」


「あの夜、君も十分楽しんでいたじゃないか。
それとも君との関係を知られてもいいのか…?」


恥ずかしさが込み上げた…でも、ここで怯んではならない。


「知られて困るのは課長も同じなんじゃないですか?」

何かに背中を押されたように言い返していた。


課長は真っ赤な顔で私を見つめた。



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