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Night BAR
第2章 〜ミサside〜
たいして客の来ないこのBARで今日も一日を過ごす。

ここの従業員は、

みんないいこばっかで退屈はしないし

この子達のおかげで

働いてることに生き甲斐は感じている。


この子達は最初、

カクテルを作ったことなんかなくて、

最初はみんな

ろくなカクテルも出来あがりゃしなかったけど、

一生懸命にあたしの教える事を覚えて

今じゃ立派に仕事してるんだから

たいしたもんね。

親の心境って、こんな感じなのかしら。

お客はそんなに来ないけどね。

そんなことを考えながら、

奥の部屋でタバコを吹かしていると

窓から見慣れない女性が

看板の前に立っているのが見えた。

扉の前までゆっくりと歩くその姿は、

迷子の幼子のようで

あたしはなぜだか、

いてもたってもいられなくなった。


カランカラン。


と言う来店の合図が聴こえると、

タバコを消し、


「新しいお客様ね…。」


そう言ってゆっくりと

ソファーから立ち上がった。


カウンター席に座ったその女性客を、

友介が接客をしている。


「何をお飲みになりますか?」

女性客は、

少し考えるような素振りを見せると

「おすすめはありますか?」

と聞いているのが聞こえた。

あたしは友介の肩をポンポンと叩き、

どうしたんですか?

と言わんばかりの友介に

「あたしがやるわ」

と交代を促した。


女性客のほうに向き直ると、

少し呆然としている。

あたしがこんななのに、

少し驚いたのかもしれないわね。

こんないかついなりをして

女口調じゃ、

誰でも驚くわ。


「あたしのおすすめでいいかしら?」


そう聞くと、

女性客は無言で頷いた。


彼女のイメージカラーでも

カクテルにしたら喜ぶかしら…






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