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無理やり多めの官能シーン集
第4章 先輩×後輩

 唾液が零れそうになるのをどちらともなく飲み込んで、脳まで響く水音に思考が飛ぶ。
 胸元に両手を押し付けて抵抗しているけれど、その力がどんどん弱まっていく。
 鼻を擦り付けるように顔の向きを変えて、貪るように何度も舌を押しつけなぞる。
 かんなの高い声が鼓動を上げていく。
 息を荒らげて離れてから、顎の唾液を手の甲で拭う。
 呆然とするかんなに、なんとか笑顔を作る。
「こんなことしたん?」
 さらに追い詰められて涙が滲む。
 ああ、可愛い。
 困った顔がほんまにかいらしい。
 ぎしり、とベッドを軋ませて、かんなは怯えるように壁際に後ずさる。
「す、するわけない……です。ただ……」
「ただ? なにしたん」
 言ってしまえば楽になるのに言えないのは、同じ方向のことをしたのだろう。
 かんなも気づいたのか、ハッとしたように両手で口を押えた。
 ポロポロと涙も伝う。
「い、え……尚哉さんは、ただ拒絶されて……」
「あー。そかそか。かんなから試したんか」
 今までかけてきた優しい言葉が上塗りされていく。
 脱力していた目が警戒色に染まってる。
 我慢やって。
 追い詰めてどないするん、ボケ。
 近づこうとする自分の脚を手で制して、トントンと指で太ももを弾く。
「俺が告白する前? 後?」
 追撃してしまう口が止まらない。
 かんなは心臓の鼓動に苦しむように肩を上下させて呼吸している。
「後やろな」
 くーが先行するわけない。
「で、でも一ヶ月以上前の話で……」
「いつ俺のもんになるんやろ」
 一番出したらあかん本音が出てもうた。
 かんなも幻聴だったかのように目を丸くする。
 優しい先輩に戻らんと。
「ほんまは待ってたいけど他の男にとられんのも、触れ合われんのも無理なんよな……」
 ああ、せやね。
 簡単なことだったわ。
 キスは受け入れとるからね。
 おそらく、くーと違うて。
 他の男が脳裏にこびりついているのは、可愛い後輩という点も相まって煩わしい。
 喫茶店のアイツのいい子なこと。
「決め手がないんやったら……」
 ベッドの端のかんなに近づき、両手を壁について見下ろす。
 すっぽりおさまった怯えた小動物。
 次の言葉を息を飲んで待っている。
「キス以上を確かめよか」
 息を飲む音がした。
 
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