この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第5章 別れのホームと初めての・・・
「はい、これ」
改札の柵越しにお土産を渡す。

チラと時計を見ると、まだ発車時刻まで7分ほどある。
私はなんとか時間内に、ミッションを果たすことができたようだ。ちなみにこのときの私は、はあ、はあ、ぜい、ぜいとちょっと乙女としてはいかがなものかというほど、息を切らしてた状態ではあった。

「『喫茶店に恋して。』・・・なんか、洒落たネーミングのお菓子ですね」

そう、私が購入したのは、文庫本のようなおしゃれなパッケージに入った『喫茶店に恋して。』という名前のクリームブリュレタルトだった。4個入りと8個入りしかなかったので、8個入りを3箱、袋に入れてもらったのだ。

紙袋の中を覗いていた彼が、顔をあげて、にこりと笑ってありがとう、と言ってくれる。

うん・・・なんかね、名前がね、気に入ったんだよ、それ。

そう思ったけれども、これは心の中のセリフだ。
実際に、私の口から出たのは、息をつきながら言った、やっぱり色気のないこんなセリフだった。

「間に合って・・・はあ、はあ・・・ホント、良かったよ・・・」

ガクガクと笑いそうになる膝に手をつきながら、なんとか顔を上げ、手を振る。
彼もまた、土産をスーツケースの上にのせて、軽く手を振って応えてくれた。

ふたりを分かつ新幹線改札の銀の柵。
出発時刻は確実に迫ってきていた。でも、何故か、彼はなかなか動こうとしなかった。手土産の持ち手をぎゅっと握って、私の方を見ていた。

はあ・・・はあ・・・あれ・・・ど、どうしたの?

「軽部さん」
彼が声をあげた。

え?もしかして、お土産足りなかった・・・?

そんな心配をして私も顔を上げる。瞬間、彼のことのほか真剣な目と私の視線がぶつかりあった。

「今日、来てくれて・・・それに、こんな買い物までさせちゃって・・・
 本当に、助かった・・・。ありがとう。
 ・・・それで・・・」

言葉を切って、そのまま、じっと私の顔を見てきた。

その様子に、私の方も、なんだか、息を呑んでしまう。
さっきまで苦しかった呼吸は、いつの間にか気にならなくなっていた。

発車時刻まで、あと6分・・・
/175ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ