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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第6章 女の約束と男の気持ち
「ありましたね、そんなお話。チリのワイン蔵にも似たような話があったら面白いですね」

なんだろう、こう・・・ワインに詳しかったり、こういう洒落たお店とかをさり気なくエスコートできちゃうのって・・・なんか、大人の男って感じがして、やっぱドキドキしてしまう。

「すごいですね、こんなお店・・・知ってるとか」

聞いてみると、彼はどうやら休みの日はあちこち食べ歩いたりするのが趣味みたいだった。ワインのことを知ってるのもそのひとつだったみたいだ。道理で、食べ物に対するお金のかけ方が・・・なんというか、気風がいいわけだ。

「取引先との接待でも使ったりするから、そのリサーチも兼ねて・・・っていうのは言い訳ですね」

なんて、ひょいと肩を竦める。なんか、そんな仕草も様になっていると思えてしまう。
そんなところを見て、ああそうかとちょっと納得したことがあった。

神社が私のエリアであるみたいに、レストランは彼のエリアなんだ・・・て。だから、からな、なんだか自然な笑顔が見られる気がする。

やばい・・・なんかヤバイ・・・これ、この雰囲気・・・
ドキドキとかいうの超えてくるよ。

仄かな明かりに照らされている彼の顔を見ていると、妄想したバーでの光景が頭をよぎってきて、胸に迫るものがあって・・・その、なんというか・・・苦しいぞ・・・。

ちょっと彼にバレないように、さり気なく胸を押さえて深呼吸をしてみる。そうでもしないと、この後の食事が喉を通らなさそうだった。

「お待ちどうさまでした」
これも当時の食堂車の従業員の衣装なのだろうか?白襟、エンジ色のワンピースに、可愛らしいフリルのついたエプロンを身につけたフロア係・・・この格好だと、給仕係と呼んだほうが相応しいようにも思う・・・が、料理を持ってきてくれる。

彼が頼んだハヤシライスは、平皿に盛られたライスに、黒に近い深いブラウンのハヤシソースが入ったソースポッドで給された。マッシュルームや肉、野菜がしっかり煮込まれている様子のあるそれは、ある種の艶を放っており、とても美味しそうだった。
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