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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第7章 名前呼びとすれ違い
【名前呼びとすれ違い】

「あ!ごめんなさい〜・・・待った?」
春色のスカートをはためかせながら、私が駆け寄ると、壁にもたれて文庫本を読んでいた彼が顔を上げた。

「おせーぞ、ゆら」
つん、とおでこを指で突かれる。
そんな彼に向けて、私は、へへへと笑ってみる。

「ごめんなさい、素直さん。ちょっと、準備に手間取っちゃって」
そう、出掛けのお化粧を普段よりも念入りにしちゃったし、出かける直前でお洋服のコーデが気になっちゃって、ブラウスを変えたりしてしまったのだ。

でも、その甲斐あって、今日の私はいつもの120・・・いや200%可愛いと思う。
ちらりと時計を見た素直さんが、くいと肘を持ち上げるような仕草をしたので、私はまるでパズルのピースがはまり込むかのように、そこに腕を滑り込ませた。

きゅっと抱きつくように腕を組む。
私と彼の、いつものお約束。

「おいおい、そんなに引っ付いたら歩きにくいよ」
「だって〜」

なんて、言い合いながら笑いあってみたりして。

「ほら、早く行かねーと映画始まっちまうぞ。ゆらが見たいって言ってたやつだろ?」
「あ、うん・・・もうそんな時間!?」

待ち合わせ場所だった駅をふたり並んで離れていく。
抜けるように高い2月の空。
今日は少し寒いけれども、こんな感じで引っ付いていれば、私の心はぽかぽかなのだ。

「ねえ、素直さん」
「なんだ?ゆら」

名前を呼んでみた。
でも、特に用事なんてない。
だから・・・

「別に、呼んだだけ」
「何だよそりゃ」

なんていいながら私に向けられた優しい笑顔が、なんだかとても嬉しい。

「あ・・・」
突然、彼が何かを思い出したかのように声を上げた。
「どうしたの?」
「忘れてたよ」

ピタリと止まって、私の方を見つめてくる。
間近に迫る彼の瞳に、私がドキドキと彼を見つめる顔が映っている。

「ゆら」
まっすぐに名前を呼ばれて、まっすぐに見つめられて、
私の胸がドキンとまた跳ね上がる。

ゆっくりと、彼の顔が近づいてきて、
ちゅっと・・・唇が軽く触れ合った。

「あ・・・、素直さん・・・」
唇が熱い。その熱さに当てられたみたいにポーッとなってしまっている私に、彼は爽やかに笑ってみせた。

「おはようのキスが、まだだったなって」

その笑顔に、私はまた胸がドキドキしてしまう。
ああ・・・なんて、幸せなの・・・
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