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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第7章 名前呼びとすれ違い
☆☆☆
その日は夜までそんな事ばかり考えていた。
帰りの電車の中、地下鉄の車窓をぼんやり眺めながらぼんやりと思う。

そもそも、一体みんなどうやって『名前呼び』までいってるんだろう?
恋愛経験値がなさすぎて見当がつかないのである。

うううん・・・

あれ?
でも私ってば、官能ジャンルとは言え、一種の恋愛小説書いてるよね?
そもそも私の小説の主人公たちは・・・どうしていたっけか?

スマホを取り出して、サイトを開いてみる。
自分の書いた小説を見返してみると・・・。

一番最初に書いた不倫妻のお話では・・・
ああダメだ、これ出会い系サイトで出会った前提だから、最初から互いに名前で呼んでるや。

次!

家の前でうずくまっている女性を拾った男の話では・・・ええっと・・・

『お名前で呼んでくださいっ!』
ヒロイン側からそう言ったのがきっかけ・・・。

・・・。

そうだった。これ、主人公が不思議ちゃん設定だった。
こんなん、恥ずかしくて言えねえ・・・。
ええと・・・ほかは?

ああ・・・このお話は、もともと幼馴染みか。元から名前呼びじゃん。
それから、こっちの話は・・・。ああ、そうだった、確か男側で思い切って名前呼びを始める感じだった・・・これだと、人任せだよなあ・・・。
『お風邪を引きました』・・・?そもそも彼氏出てこねーし!
あとは、これか・・・。でもこれ、そもそも主人公がじゃねーし、イケメン設定で最初から名前呼びしてるわ。

うううう・・・っ
ダメだ・・・参考にならない。

更に私はネット検索をし、ヤフー知恵袋を紐解き、果てはAIにまで尋ねてみた。

『彼氏に名前呼びをして貰う方法』

知恵袋のベストアンサーも、AIの回答も要約すると同じだった。

『〇〇って呼んで欲しい、と素直に言ってみましょう』

結局、私の小説で唯一真っ当に名前呼びのきっかけを描いていた、あのパターン。
あれしかないというわけか・・・。

よ、よし・・・ちょっとシミュレーションしてみよう。
私は、自身の中の『書き手』スイッチをぱちりとオンにした。
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