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センセイと課外授業
第9章 ハツカレ?
「とっ、トシくん⁉︎」
(と、トシくんのっ、息がっ耳にっ耳にっ!)
突然のことに身体が硬直して動けない。
「一ノ瀬。」
「はっはいぃ!!」
優しい低い声で耳元で名前を囁かれ、思わず変な声が出てしまった。
しかしそんな私を気にも止めず、トシくんは続けた。
「返事。今していい?」
「えっ、へ、返事って…」
(まさか…)
「こっち向いて、一ノ瀬。」
言われるまま首だけ振り向くと、間近にトシくんの瞳が二つ私を覗き込んでいた。
「俺も一ノ瀬が好き。付き合おう。」
「……え?」
(つ、つき…)
「あらぁ?二人で何やってるのかしらぁ?」
いきなり入ってきた女の人の声のする方を見ると、とし君のお母さんが買い物袋を下げて立っていた。
「か、母さん!」
「もぉ〜するなら家の中でしてよぉ?」
「何言ってんだよ!い、一ノ瀬、降りて!」
「う?え、あ、はい…」
照れるトシくんの慌てた声に、私はゆっくり立ち上がった。