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センセイと課外授業
第10章 定期試験
教室に向かいながら、私は胸を押さえた。
(傷つくな。傷つくな。傷つくことなんてないんだから)
美憂と先生が笑い合う光景が思い起こされるたび、打ち消すように首を振った。
私はトシくんと付き合っていて、センセイはセンセイで、好きなのはトシくんで。
(独占欲強すぎなんだ、きっと。)
教室の扉を開いたら、トシくんがいるだろう。
大好きで、憧れで、初めての彼氏のトシくんが。
ガラッーー
「あ、佳奈。お疲れ。」
「トシくん。」
「一緒に帰ろーよ。」
にっこり微笑む彼が一瞬センセイとダブる。
それを振り払うようにして差し出されたトシくんの手を相変わらず震える手で掴んだ。
まだまだ慣れない行為に、苦笑いしながらトシくんと教室を出る。
この手がセンセイだったら、なんて思わないように、ギュッと握りしめた。
(傷つくな。傷つくな。傷つくことなんてないんだから)
美憂と先生が笑い合う光景が思い起こされるたび、打ち消すように首を振った。
私はトシくんと付き合っていて、センセイはセンセイで、好きなのはトシくんで。
(独占欲強すぎなんだ、きっと。)
教室の扉を開いたら、トシくんがいるだろう。
大好きで、憧れで、初めての彼氏のトシくんが。
ガラッーー
「あ、佳奈。お疲れ。」
「トシくん。」
「一緒に帰ろーよ。」
にっこり微笑む彼が一瞬センセイとダブる。
それを振り払うようにして差し出されたトシくんの手を相変わらず震える手で掴んだ。
まだまだ慣れない行為に、苦笑いしながらトシくんと教室を出る。
この手がセンセイだったら、なんて思わないように、ギュッと握りしめた。