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センセイと課外授業
第8章 家庭訪問
ブンブン首を振り後ずさる。
すると、女性の後ろからトシ君の顔が覗いた。
「母さんどうしたの?って…あれ?一之瀬?」
(こ、この人がお母さん!?確かに目元とか似てる…つか綺麗!若い!)
綺麗な親子を交互に見ると、トシ君のお母さんがニッコリ笑う。
「一之瀬さんっていうのねえ~~トシ、プリントとか持って来てくれたみたいよ?」
「おお~さんきゅ!」
「う、うううん!」
慌てて鞄からプリントを取り出そうとすると、お母さんに腕を引っ張られた。
「あら、入りなさいよ~!」
「えっ、け、けど…」
(トシ君の家なんて恥ずかしすぎて無理!!)
後ずさる私を有無を言わさぬ強さで引っ張るお母さんの、こんなほそい腕のどこにこんな力があるのか不思議に思った。
「一之瀬、入れよ。学校のこととか聞きたいし!ちょうど暇でさ。話し相手なってよ。」
私はトシ君にいわれて、無意識に頷いていた。