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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第11章 一線

震えるような指先がワンピのボタンに触れようとした瞬間、叔母に囁かられる。

「残念……」

車内にアナウンスが流れ、叔母はピンと先っぽを指で弾いた。

「ぅっ、そんなぁ…」

【そんな顔しないの…続きは帰ったらね……】

口惜しそうに呟くと電車は最寄り駅に到着して、やはり少し前屈みで叔母の後をついていった。


スーパーに寄ってマンションに戻ると叔母は部屋着のTシャツに着替えて早速キッチンに立っていった。 その後ろで、嬉しそうに買ってきた物を紙袋から出していく。

「陽翔はさっさと宿題してな……」

テーブルに並べた買ってきた物を叔母が抱えていった。
仕方ないと、荷物から宿題の問題集を取り出してダイニングテーブルで取りかかっていく。
これを何ページ解いたら叔母のOKが出るのだろうかと思ってもやるしかなかった。


陽翔は結奈の料理をする姿をチラ見しながらも宿題に取り組んでいた。
出した条件は正解だったようだ。
電車でお預けを食らった陽翔は帰ってくるなり求めて来そうだったから。
やはり勿体つけた方がこの後、情熱的になると思う。
それに美味しい料理を食べさせたいから、こっちも集中できる。

玉葱をみじん切りにして火を通すとパン粉と牛乳に浸しておく。
その間に付け合わせのサラダを作っていく。
ミンチに浸した玉葱、卵、塩胡椒にナツメグを少々。
あまり捏ねすぎず肉々しさを残しておく。
油を塗った掌に乗るくらいを取って打ち付けるように空気を抜いて玉子型に整える。
フライパンで両面に焼き色をつけたらオーブンレンジでじっくり焼いていく。
ハンバーグを焼いたフライパンに赤ワイン注ぎアルコールを飛ばすと陽翔が驚いたように声を上げた。

「陽翔…集中してる?……」

これをするだけで缶詰めのデミグラスソースは劇的に美味しくなる。
尚且つ、ソテーしたキノコを加えてソースに旨味を移していく。
時間もないし、スープは既製品のミネストローネを温めるだけでゆるしてもらおう。
これだってバージンオリーブオイルを滴し、フレッシュのバジルを千切るだけでずいぶんと美味しくなる。

「陽翔…そろそろできるからテーブルの上片付けて……」

「あ、うん…もうできたの?…凄くいい匂いしてる…」


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