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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第14章 餓鬼

陽翔が実家から自宅への帰路についている頃、結奈はレンタカーを借りていた。
お盆の最終日、空きがなければいいと思っていたが、残念ながら1500ccのハッチバックを借りることができた。

健人との約束は深夜、一泊二日の契約にサインをして必要なものを買いに向かう。

【なんでこんなもの……】

そう思いながら買い物を済ませマンションに戻った。
食欲はない。
栄養補給のゼリーを吸いだし、シャワーを浴びる。

【何のために身体を綺麗にしてるんだろ……】

髪を乾かし、メイクを施す。
これが陽翔とのデートならどんなにいいだろう。

【だめだ…とにかく今夜だけで終わらせるんだ……】

髪をアップに纏めると、買ってきた銀髪のウィッグを着けてみた。
これだけで別人のように見える。
少しだけホッとしていた。
クローゼットから服を選ぶ。
できるだけ目立たない、露出の少ない…それでいてあいつの要求を満たす服。
深夜とはいえ夏の夜、デニムのワンピースを選んだ。
前がボタンになっていて丈は膝上。
半袖で両胸にポケットが施されている。

深い溜め息をついて時計を視た。
レンタカーの鍵を掴んでマンションを後にした。





健人は深夜のコンビニで立ち読みをしていた。
たまに客は入ってくるものの、さっさと買い物を済ませて出ていく。
今は誰もいない。
レジに男のスタッフが1人いるだけだった。

【へぇ…時間通りじゃん…】

1台の車が駐車場に入ってきた。
ドアが開き、銀髪の女が降り立った。
女はサングラスをかけて店内へと入ってくる。
スタッフのやる気のない「いらっしゃいませ」が聞こえると、女はこっちに真っ直ぐ近づいてきた。

「似合ってるっすね…でも、深夜にグラサンっていかにも怪しくないっすか…」

結奈は濃いサングラスの下で眉間に皺を寄せた。

「この格好で来いっていったのはそっちだろ……」

「まぁ、そうなんすけどね…身バレしない方がいいっしょ…これでも気ぃ使ってんすよ…で、銀髪以外にもちゃんと言う通りにして来たんすよね…」

「…してるって……」

手にしていた雑誌を戻し結奈に身体を向けた。
ポケットに手を突っ込んでちょっと首を伸ばす。

「見せてよ…」





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