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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第16章 アトリエ
「すみません…あの後、部長が帰ってしまわれたので近くにいた部員を視て描いてみたんですけど…」
「そうなんですか……じゃあ、やっぱり私を描こうとしてくれていたんですね……」
【あれ?…声が戻った?…】
先輩の目を見れず俯いていた陽翔は視線を戻した。
美人は表情があまり読み取れない、叔母もそうだ。
でも先輩はなんだか微笑んでいるように思えた。
どうやら引かれてはいないことが解って、ほっとしていた。
「でも……これ私じゃありませんよ……」
「はい…だから首から下は別人なんです……自分でも違うなって思って…途中で描くのを止めてしまって…」
先輩は黙ってしまった。
今度は何か考え込んでいるように思えた。
こんなに表情を変える先輩はすごく新鮮に思える。
「藤沢くん、やっぱり人物画にしましょう……」
唐突に先輩が口を開いた。
「え?…どうしたんですか急に…」
「…嬉しかったんです……藤沢くんが私を描いてくれてると思っていたので……私をモデルに描いてくれたのは二人目ですから……」
「は、はぁ…」
全く意図が読めなかった。
「そうだ…少し待っていてください…すぐに戻りますから……」
「え?…え、部長?…」
先輩はスケッチブックをテーブルに置くと、壁の向こうではなく入ってきたドアから出ていってしまった。
閉じられたドアの向こうに小走りなパタパタとした音が聞こえた。
それはなんだか嬉しそうな音に思えた。
【どういうこと?…】
陽翔は1人取り残され、また観かけた絵に視線を向けた。
先輩の言い方も気になったが、だめと言われたのだ…やめておいた。
少ししてドアをノックする音がした。
ドアの方に視線を向ける。
少しの間を置いて、またノックされた。
【部長…ここは部長の家ですよ…】
そう思いながら返事をすると、ドアが開いた。
「藤沢くん…お待たせしました……」
陽翔は驚いたように先輩を見つめた。
「なんで?…どうしてそんな格好…」
白い半袖のブラウスに膝上のプリーツスカート…白いソックス…先輩は学校の制服に着替えていた。

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